一宮という市名に由来するのは、「尾張国一之宮」である真清田神社。
一宮を語る上で、真清田神社は欠かせません。「一宮」の名のつく自治体は全国に数カ所あるそうですが、市としては、ここ愛知県一宮市のみです。
真清田神社の創建された頃、この辺りは、木曽川の灌漑用水による水田地帯でした。そのため清く澄んだ水の張った水田の様子から、真清田(ますみだ)と名付けられたそうです。
目次
真清田神社は、一宮市の中心、本通りの正面目抜きにあります。そして、地図で見ると神社から放射状に道路が延びており、真清田神社がいかに町の中心的存在であったかが分かります。ちなみに、かつての真清田神社の様子は、一宮市博物館の展示ホール中央に復元模型があるので、ぜひ見てみてください。さすがは一之宮、と納得することでしょう。
真清田神社の由緒
真清田神社の祭神は天火明命(あめのほあかりのみこと)で、太陽を神格化した神様です。仕事運や出世運、開運厄除、子孫繁栄にご利益があるとされています。
戦災を逃れた義直公奉納の「吐水龍」
こちらは、手水舎です。この龍は寛永8年(1631)初代尾張藩主・徳川義直公が奉納したものと同型で、本物は宝物館に保管されています。さすが龍神伝説のある神社だけに、この「吐水龍」は、境内にいくつか見られます。
こころに向き合う神水舎
「霊水」「覗き井戸」「おもかる石」
「霊水」
そして神水舎にも「吐水龍」がありました。龍から流れる水(井戸水)は、平安時代に白河天皇の病を治したと伝えられ、無病息災のご神水として大切にされてきたそうです。また明治天皇が一宮を巡幸された際には、この井戸水で淹れた特別な茶が献上されました。この霊水は持ち帰ることもでき、社務所には、この水をいれる容器が販売されています。
「覗き井戸」
次に、その隣にある古井戸を覗いてみてください。井戸を覗くと、井戸に住んでいる龍神様が、子供たちの疳(かん)の虫を治してくれるという言い伝えがあるそうです。恐る恐る覗いてみますが、暗い水面に映るのは、己の顔だけ。情けない顔にドキッとします。これはひょっとして、自分を見つめなおせということなのでしょうか。
「おもかる石」
さらに隣にあるのは「おもかる石」です。まず、願い事を思い浮かべながら石を持ち上げてみましょう。ここで石の重さを確認します。次に、もう一度石を持ち上げます。最初に持ち上げたときよりも軽いと感じれば、願いが叶うといわれています。
縁結びのパワースポットとして女性に人気の「服織神社」
服織神社は、真清田神社の主祭神「天火明命(あめのほあかりのみこと)」の母神「萬幡豊秋師比賣命(よろづはたとよあきつしひめのみこと)」を祀っています。この神様は、七夕伝説の「織姫」と同一と考えられており、縁結び・安産の神様として信仰を集めています。
ここで人気なのが「運命之紅糸」という縁結びのお守り。お守りの中に入っている2本の赤い糸のうち、1本を服織神社に結び、残りの1本を持ち帰ることで縁が結ばれるといわれています。
御神木からパワーをいただこう!
「幸福楠」「夫婦楠」「御縁楠」
服織神社の左側には、樹齢1000年ともいわれる立派な「幸福楠」があります。服織神社に参拝し、幸福楠に触れるとパワーを頂けると注目され、いまやパワースポットとなっています。ほかにも、境内には多くの楠があり、1本の木が2本に分かれた「夫婦楠」や、5つに分かれた「御縁楠」もあるので、ぜひ見つけてみてください。
見つけたらラッキー!神池と「金の鯉」
「真清田神社参詣曼茶羅」(安土桃山~江戸初期)にも描かれている神池。
ここには多くの錦鯉が泳いでいますが、その中にひときわ輝く黄金色の鯉を見つけることができます。また、神池のそばにある八龍神社には、明治初年、神仏分離の際、日泰寺に流出したというご神体の龍神石を祀っています。
商売繁盛の願いを込めて歩く「三八稲荷社」の赤い鳥居
京都の伏見稲荷大社の御分霊を祀ったと伝えられる「三八稲荷社」。ご祭神は、衣食住の神様である「倉稲魂命(うかのみたまのみこと)」で、商売繁盛にご利益があるとされています。結婚式には、新郎新婦が、ずらりと並んだ赤い鳥居をふたりで歩くそうです。
真清田神社
住所 | 真清田1丁目2-1 |
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営業時間 | 9:00~16:00 無休 |