レトロな外観が目を引く「Re-TAiL」尾西繊維協会ビルの魅力と、心ときめく尾州素材のマーケットをはじめ、個性豊かなテナントをご紹介します。
目次
せんいのまち一宮にある、せんいのビル―それが「リテイル」です。
かつて解体の危機にあった尾西繊維協会ビルを自然な形で活用しようと動いたのが、この方、コーディネーターの稀温(きおん)さん。
「せんいのまちなんだから、目に触れるところにせんいがあるのは当たり前でしょう?」-そんな想いから始まったリテイルには、私たちが知らなかった尾州のいまが詰まっています。
さぁ、一緒にのぞいてみましょうか…。
心ときめく尾州素材のマーケット
「RRR MATERIAL PROJECT」
3000種、50社を超える布のバザール!
「ライバルは、イタリアとイギリスだ!」と有名デザイナーも賞賛する尾州の服地。そんな尾州の布が一同に集まるのが、リテイル1Fにある「RRR MATERIAL PROJECT」です。
ここでは、海外のトップブランドも採用する上質な布地や、市場に出回らない凝りに凝った試作品、小銭で買えるはぎれまで、個人でも少量から購入できます。
まずは好きな布を触ってみるだけでもいいと稀温さんは言います。「尾州には、糸からの創意、多彩な織り編み、最後の仕上げの3段階の技術が地域に集まっています。まずは見て触れて、上質感を感じてみて」。
リテイルの商品は春夏物、秋冬物、どちらも置いています。棚には、左側にメンズライクな辛口の布を、右側にはレディース的な甘口の布。
「卸売りが主な産地なので、素敵な布がこんなにあっても一般の人は気軽に見られなかった。それが常設のお店になって、ひとが集まり、発見や感動がある。それは素材の価値が必要な人につながること。だから展示販売のこの場所が大事な役割を持っているんです」。
そんな“出会えるリテイル”であり続けるために、今後は「毎月はじめのプチセール」やマルシェなど小さいイベントを多発していくそう。
「必ずしも縫う必要はないの。布を巻いて着る文化は世界中にあるでしょう?好きな布を巻いたりピンでとめれば、ストールの出来上がり。肩や腰にかけて、ベルトを締めても素敵。身にまとう、敷くだけでも布は楽しめますから、ぜひ色々と遊んでみてほしいな」。
もちろん作ることの楽しさも知ってほしいから、洋裁教室などワークショップも開催しています。自分で作れるようになると、さらに愛着が湧きますね。
デッドストックだけではありません。ここには、尾州にほれ込んでデザイナーとなり、旧式ションヘル織機の生地の可能性を現代的なセンスで伝える小島日和さんの新作生地もあります。
ちなみにこのお寿司柄、非常に難しい織りだそうで、熟練の職人さんたちが、「大変だけど、お寿司のネタが斜線の方がええんだろう」と頑張って下さったそうです。職人さんたち、なんてかわいいの~♡
尾州は伝統工芸ではなく、時代に合わせて変化を続ける「地場産業」。約50社でもほんの一部ではありますが、尾州の今を知りたいなら、「RRR MATERIAL PROJECT」を訪ねてみて!
これぞ大人の空間!オーダースーツ専門店
「国島CONCEPT TAILOR」
最高級の誇りを品質に込めた国島のスーツ
ここで扱う主軸の生地は、国島らしさを集めたコレクション「The KUNISHIMA1850」。着やすさを実現するしなやかさと、見た目の美しさを生み出す高い張り感のある生地が特徴です。近づいた時に多くの色が浮かび上がり、スーツに深みや表情を与えています。
滑るような手触り、角度によって様々に表情を変える光沢など国島スーツの良さは、実際に触ったり、まとったりしてこそわかるもの。「よい生地はよい人生をつくる」というように、着る人自身が豊かになる、そんな魅力が詰まっています。
※(参考)スーツの仕立て5万円~/約1~1.5か月で納品
個性派ショップを一部紹介
「バッグスクール レプレ&コロロ」「Oh là là」
他所にはない個性的なテナントが入居しているのもリテイルの魅力。ここでは、せんいやデザインに関わる創造的なアトリエやショップと、ものづくりを愛する人たちに出会えます。
<2F> 本格的なバッグ作りが学べるスクール「レプレ&コロロ」
レプレは、1970年創業の老舗カバンメーカーが母体となって運営しているバッグ専門スクール。初心者からプロ養成まで、かばん作りのノウハウが学べます。自分の作りたいバッグを、型紙をつくることころから学べるなど、本物の技術の養成を行っています。尾州の生地を使ったこだわりのバッグを自分の手で作ってみませんか。
<2F> ヴィンテージ&レトロ服のお直し専門店「Oh là là」
こちらもcheck!
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1948年創業の小塚毛織株式会社のオリジナルブランド。 尾州産地のモノづくり技術を服に表現したアンテナショップ。
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時代を超えて人々に長く大切に使われてきた古いモノを中心に扱う。
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「シンプルでちょっとかわいい靴下」をコンセプトにオリジナルブランドの靴下、こだわりの洋服、アクセサリーが並ぶ。
当時の興隆ぶりを伝えるヴィンテージな建物にも注目!
リテイルビルは、昭和8年に尾西繊維同業組合事務所として建造された「旧・尾西繊維協会ビル」を活用しています。昭和20年の一宮空襲にも遺った数少ない建物で、昭和の一宮の面影を今に伝える貴重なビルなんですよ。
茶褐色のスクラッチタイルの外壁に白石の縁どり、ゴシック風のアーチ窓などが施されたクラシカルな外観。まるでツイードのスーツのような美しさがあります。
一宮市の織物関連遺産として、経済産業省の近代化産業遺産(繊維・機械)にも登録されており、「当時持てる近代建築技術の粋を集めて建築された建物」(解説:栗本真壱/栗本設計所)だけに、近代的な風景の中にあっても、本物が持つ存在感を放ち続けています。
装飾のあるシーリングファンや振り子時計、懐かしい黒電話といった当時の調度品が、今の時代に寄り添うように静かに時を刻んでいます。
今回紹介させていただいたのは、10あるテナントのほんの一部。実はまだまだ個性豊かなテナントが集まっています。センスの良いオーナーさんたちが選んだ、素敵なもの。他のショップでは出会えなかったレアなアイテム。その他、あなたの感性をうずうすさせるもの、いろいろ。行ったあなただけのお楽しみです♡
ぜひ会いに来てください!
Re-TAiL(リテイル)
住所 | 一宮市栄4-5-11 |
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営業時間 | 10:00~18:00 (月曜定休・祝日は営業) ※ 各テナントの営業時間は異なります |